|
昨年平成14年12月12日付で日本放送協会・海老沢勝二会長宛に送付いたしました「NHKの報道に関する公開質問状」に対するNHKからの回答(同年12月26日付)を日本放送協会視聴者ふれあいセンター長・鈴木敏光氏を通じて12月27日に受理いたしました。 以下、全文を公開させていただきます。
平成14年12月26日 NHK報道を考へる会代表 獨協大学教授 中村 粲殿 NHKに物申す市民ネットワーク代表 小林 幸子殿 神奈川大学教授 小山 和伸殿 日本会議東京都杉並支部長 和田 昭殿 NHK報道から子供達を守る会代表 松浦 芳子殿 弁護士 高池 勝彦殿 弁護士 南出 喜久治殿 弁護士 稲田 朋美殿
前略 NHK会長あての質問状につきまして、会長からの指示により、小職より回答致します。なお、返信が遅れましたことをお詫びいたします。 質問事項(1)について この番組は、脳に障害をもつ少年が心を打つ詩を書き、その詩を通して豊かなメッセージを伝える姿を、長期間の取材を経て、事実通りに描きました。現在も、少年の成長を見守りながら、取材を続けています。 質問事項(2)について 今年5月の日本ダービーでは、レースに向け馬と騎手が待機場で最終調整を行っている時に、オペラ歌手による「君が代」の独唱がありました。しかし、国歌に合わせて意図的に馬の尻の映像を放送した事実はありません。 質問事項(3)について 国旗、国歌については、放送設備の保守・点検などのため終夜放送を休止する際、放送終了時と放送開始時に「日の丸」の映像と、「君が代」のメロディーにあわせて歌詞をスーパーしたり、メロディーを流したりしています。また、総合テレビと教育テレビでは、毎日、番組編成の区切りとなる午前5時前に、原則として「日の丸」の映像を放送しています。 質問事項(4)について NHKでは、「北朝鮮」の呼称について、▼「北朝鮮」という呼び方は、朝鮮半島の北部にある国家の呼称として広く使われているものの、国名の略称ではないこと、▼「北朝鮮」について、日本政府は国家として承認していないものの、国際的には国家として扱われていることなどを総合的に勘案し、一つのニュースの中で一回、また北朝鮮関連のニュースを連続して放送する時は、最初のニュースで一回だけ、「北朝鮮・朝鮮民主主義人民共和国」と言うことを原則にしています。北朝鮮側は、国名を呼ぶときは常に朝鮮民主主義人民共和国とするよう求めており、NHKはその要求をそのまま聞き入れている訳ではありません。韓国、アメリカ、中国などについては、地域名ではなく「国名」の略称であり、当該国からの要請も特にありません。 こうした呼称のあり方は、新聞・放送各社共通でしたが、一部の新聞社等が最近、「朝鮮民主主義人民共和国」という言い換えをしないよう改めるなど変化も見られます。現在、日朝国交正常化交渉が行われていることもあり、NHKとしては、どのような表現方法が良いのか、交渉の経緯も見極めながら慎重に検討していきたいと考えております。 質問事項(5)について NHKでは、9月17日の日朝首脳会談で、北朝鮮側が拉致事件を自ら認めるまでは、この問題を正式に表現する際、「北朝鮮が関わった疑いがあると日本政府が認定している8件11人の拉致問題」としてきました。省略して伝える場合には原則として「いわゆる拉致問題」としていました。しかし、これはご指摘のように「あたかも拉致の存在を疑ふかの如き報道を行い(中略)この重大な人道問題を殊更に無視しつづけてきた」ことを示すものではありません。これは日本の捜査当局の発表に沿って使っていたもので、決して「拉致でっち上げ説」に加担したものではありません。国内の一般の事件でも、警察の捜査段階であれば「疑い」としていることを想起していただければと思います。 また、NHKでは、以前から拉致問題については、節目節目で報道してきました。とりわけ「家族の会」が発足し、横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されたことが国会で取り上げられて以降は、真相の解明を求める動きをその都度、ニュースや「クローズアップ現代」等で伝えてきた他、日朝国交正常化交渉に関するニュースや解説の中では、ほぼ必ず拉致問題を取り上げてきました。今後とも、適切な報道に努力してまいりたいと考えております。 質問事項(6)について 今年4月、小中学校の新しい学習指導要領が全面的に実施され、教育に関する様々な議論が起きています。 NHKでは、こうした議論を踏まえて、教育に関する長時間討論や具体的な教育方法を紹介する番組を放送しています。 教育問題に関して今後も様々な観点から多角的に取材し、放送していきたいと考えています。 質問事項(7)について NHKは、皇室への敬語については、できるだけ平易で簡潔であることを基本に、親しみのある敬語を使用しています。 特に放送という耳から入るメディアの特性を考慮して、違和感のない表現になるよう心がけています。 質問項目(8)について NHKは、戦争・歴史に関する報道や番組についても、あくまで客観的な事実に基づいて放送する、という姿勢で取り組んできました。今後も、この基本姿勢を堅持して、公正で客観的な報道や番組制作に取り組んで行く所存です。 質問項目(9)について 虐殺された人数などについて、放送機関であるNHKとしての公式見解はありません。 以上、ご回答申し上げます。なお、代表質問者である中村様に郵送させていただきました。 早々 日本放送協会 視聴者ふれあいセンター長 鈴木 敏光
以上、原文のまま掲載いたしました。 |