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「NHK回答への反論」に対する「NHKからの反論」が、平成15年1月29日付で日本放送協会視聴者ふれあいセンター長・鈴木敏光氏より送付され、同年1月30日に受理いたしました。 以下、全文を公開させていただきます。
平成15年1月29日 NHK報道を考へる会代表 獨協大学教授 中村 粲殿 NHKに物申す市民ネットワーク代表 小林 幸子殿 神奈川大学教授 小山 和伸殿 日本会議東京都杉並支部長 和田 昭殿 NHK報道から子供達を守る会代表 松浦 芳子殿 弁護士 高池 勝彦殿 弁護士 南出 喜久治殿 弁護士 稲田 朋美殿
前略 平成15年1月9日付貴職からNHK会長あていただいた文書につき、会長からの指示により、次の諸点について再度小職からご連絡致します。 (北朝鮮の呼称について) NHKでは、「北朝鮮」の呼称について、すでに昨年9月下旬から、「北朝鮮・朝鮮民主主義人民共和国」という言い換えを最小限にするため、1つのニュース番組の中で北朝鮮関連のニュースが連続して放送されるときは、最初のニュースの冒頭で一回だけ正式国名を呼ぶようにしてきました。さらに、NHKでは、▼「北朝鮮」という名称は、本来、朝鮮半島の北部という地域を指す言葉であるものの、事実上、「朝鮮民主主義人民共和国」の呼び名として、国民の間で広く定着してきたこと、▼先の臨時国会で成立した拉致被害者に対する支援法では「北朝鮮」という呼称しか使っていないこと、▼それに世論の動向など社会情勢を総合的に勘案し、平成15年1月1日から、原則として正式国名への言い換えは行わず、「北朝鮮」の呼称のみとしています。(ただし、国交正常化問題の大きな節目などのケースでは、今後も正式国名を使用することはあり得ます。) (NHKの拉致事件報道について) 先の回答書で、NHKとしては、以前から拉致問題を節目節目で報道してきた旨をご説明いたしました。これに対して中村先生は、今回、「NHKの説明は大嘘である」とした上で、それが「嘘」であることの理由を縷々お書きになっていますが、その多くは事実誤認です。誤った事実をもとに、雑誌という公の場でNHKを侮辱する論説を繰り広げることは、到底容認できるものではありません。 具体的に誤りを指摘しますが、まず「家族会の結成された平成9年3月25日から翌平成10年7月まで1年半近くもこの問題に無関心で、ニュース7では拉致問題を一度も報道してこなかった」というご指摘です。これはとんでもない事実誤認で、どうしてこのような事実に反することを論拠にされるのか理解に苦しみます。 NHKでは、家族会結成の翌日、平成9年3月26日の「ニュース7」で、「新たに結成された家族会の横田滋さんらが外務省を訪れ、情報収集を急ぐと共に、国として問題の解決に向けて努力していくよう申し入れた」というニュースを伝えています。翌日の「ニュース7」で報道しているのに、どうして「ニュース7では1年半も報道してこなかった」ことになるのでしょうか。更に、先生ご指摘の、平成9年3月から平成10年7月までの間に、実際には、総合テレビだけで80本以上の拉致関連のニュースを放送しており、「ニュース7」だけに絞っても、被害者の家族が署名を添えて国に真相解明を求めるといった家族会の活動を含め、約30本の拉致関連ニュースを放送しています。(リードに拉致問題が入っていないニュースも含めれば、更に多くのニュースで拉致問題を取り上げています)例えば、3月26日のニュースの直後も、4月15日「日本人拉致問題で、議員連盟が設立」、5月1日「政府が7件10人について北朝鮮による拉致の疑いと初めて公式に認める」、5月8日「米高官が日本人拉致問題に対応するよう北朝鮮に求める」、5月13日「拉致議連が政府に対して北朝鮮拉致事件について国連に働き掛けるよう要請」等々、関連のニュースが続いています。 また、中村先生は、「翌11年5月2日、東京・日比谷公会堂で『国民大集会』が開催された時も、NHKは6時の首都圏ニュースも「ニュース7」も一言も報道せず、『首都圏ニュース845』が申し訳程度に1分間だけ伝へたものの・・・」と批判していますが、このニュースを伝えたのは「首都圏ニュース」ではなく、「全国ニュース」です。当日は日曜日でニュース時間が少ない中で、1分半近くのニュースとして放送しており、ストレートニュースとしては特に短いものではありません。しかもこのニュースは、「最終ニュース」でも繰り返して放送しています。 さらに中村先生は、「NHKは集会参加者の神経を逆なでするやうに『拉致疑惑』と伝え・・・」「『いわゆる拉致事件』と『いわゆる』と冠するところに、何としても北朝鮮による拉致を認めたがらないNHKの本音が隠見される」などと、「拉致疑惑」「いわゆる拉致事件」という言葉を使ってきたことを、あたかもNHKが拉致問題を軽視してきたことの表れであるかのような指摘を再三にわたって行っています。しかし、他の様々な重大犯罪であっても、捜査当局から逮捕状が出た段階でさえ、起訴されるまでは「・・の疑い」と表記するのを一般的な原則としているのであって、逮捕状が出る前の段階で「疑惑」といった言葉を使っていたことをもって、「この問題を軽視していた」と言われるのは、的確なご批判とはいえません。しかも、これについては前回の回答書で、既に説明したにもかかわらず、今回の先生の文書では、こちらの説明には全く言及がないまま、一方的に再批判を繰り広げており、極めて遺憾です。 以上のように、今回の先生の文書は、あたかもNHKのニュースをきちんと視聴した上で批判しているかのような形を取りながら、実際の報道とは全く異なる「事実」をもとにNHKを強く批判しており、このような文書が多くの国民に公開されれば、NHKの視聴者に大きな誤解を与え、いわれのない批判を招くことにもつながりかねません。誌面での訂正をお願いいたします。 先生におかれましては、大学教授という社会的に信用ある立場にあり、由緒ある月刊誌に連載をお持ちになっているという立場を自覚されて、今後は事実に基づいた論説を展開されますようお願い申し上げます。 以上、ご連絡申し上げます。なお、代表質問者である中村様に郵送させていただきました。 早々 日本放送協会 視聴者ふれあいセンター長 鈴木 敏光
以上、原文のまま掲載いたしました。 |